マルハン新発田

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ENGLISH ホーム 経団連について Policy(提言・報告書) Action(活動) 会長コメント/スピーチ トップ Policy(提言・報告書) 税、会計、経済法制、金融制度 金融庁「インパクト投資等に関する検討会」報告書に対する意見 Policy(提言・報告書) 税、会計、経済法制、金融制度 金融庁「インパクト投資等に関する検討会」報告書に対する意見 2023年7月10日 一般社団法人 日本経済団体連合会 金融・資本市場委員会建設的対話促進WG はじめに 環境問題や感染症、経済的格差といった地球規模の社会課題の顕在化・深刻化を受け、経済・金融活動を通じて社会課題を解決する動きが広がりを見せている#1。ESG課題を解決し、持続的な社会の実現を目指すサステナブルファイナンスの一分野である「インパクト投資」#2は、社会課題の解決と経済成長を両立し、好循環を生み出す有力な手段である。インパクト投資の推進は、短期的な事業リスクと収益見通しに加え、中長期に事業が生み出す社会的・環境的な好影響(インパクト)を積極的に評価する新たな経済システム「インパクト・エコノミー」の構築につながる。その姿は、経団連が提唱するサステイナブルな資本主義のビジョンとも一致している。他方、インパクト投資の取組みは緒に就いたばかりであり、今後のさらなる普及に向けた環境整備が不可欠である。 そうしたなか、金融庁は、本年6月、「インパクト投資等に関する検討会」において報告書(以下、報告書)をとりまとめた。報告書ではインパクト投資の基本的指針とともに、多様なステークホルダーが参画する対話の場(コンソーシアム)の設置による各種施策の推進を謳っている。 そこで、経団連建設的対話促進ワーキンググループは、サステイナブルな資本主義を実現する手段の一つとして、インパクト投資の拡大を目指す観点から、報告書に対する意見を述べる。 1.基本的理解の醸成 インパクト投資の普及には、その基本的理解の醸成が必要不可欠であるが、現状では、ESG投資との違いが明確でない、あるいは誤った理解が広まっているという問題等が指摘されている。そこで、コンソーシアムには、基本的理解の醸成に向け、報告書の基本的指針に沿って実行されたインパクト投資の事例の共有を求めたい。並行して、投資家、企業それぞれの立場におけるインパクト投資の実行や「特定・測定・管理」等のあるべき姿の議論を行い、コンソーシアムとして取りまとめることを期待したい。なお、事例収集の手段としては、例えば、先進的な事例に対する表彰等も検討に値する。さらに、企業や事業等のインパクトを明確にすることによる従業員のモチベーション向上や採用活動への好影響が指摘されており、こうしたインパクト投資の波及効果についても共有することが望ましい。 また、同じ議論のなかで異なるインパクト投資が想定されたり、混同されたりした状況で議論がなされているケースがある。コンソーシアムにおいては、インパクト投資に関する基本的理解の醸成と並行して、議論の対象とするインパクト投資を明確に切り分けたうえで検討を進めていただきたい。 2.データや指標の整理・整備 インパクトの「特定・測定・管理」に用いるためのデータや指標は、企業と投資家の建設的な対話(エンゲージメント)に有用なだけでなく、社会的・環境的インパクトの追跡やインパクト・ウォッシュ#3の回避にも役立つ。データや指標の不足は、企業や投資家がインパクト投資に取り組む際の障壁になっている。とくに地域活性化や少子高齢化対応等につながる日本固有のデータが整備されていない。また、投資判断に有用なデータや指標が、投資家側・企業側の双方で分からないことも課題である。 今後、企業が容易にインパクトの「特定・測定・管理」ができるよう、コンソーシアムにおいて重要性や必要性を議論したデータや指標について、取引所等の公共性が高い組織が整備を進めるべきである。その際、地域のヘルスケアデータや教育データ等、企業にはアクセスが困難なデータとの連携を図るため、コンソーシアムには他府省庁、地方公共団体の参画を求めたい。また、GIINのインパクト測定・マネジメント(Impact Measurement and Management:IMM)#4を行うためのツールとして公表しているIRIS+#5やUNDP(国連開発計画)のSDGインパクト#6等との連携、デジタル庁が整備を進めるオープンデータやデータの標準化の取組み、各府省庁が整備するデータベース、データ社会推進協議会(DSA)が進める分野間の基盤を連携するための取組み(DATA-EX)等の既存の枠組みと十分な調和を図ることが不可欠である。 まずはコンソーシアムにおいて、インパクト投資に携わる企業や投資家への丁寧なヒアリングを行い、インパクト投資の実行に重要なデータや指標の種類、既存の枠組みではカバーできていないデータの範囲、IRIS+等と連携するために必要なデータの形式を洗い出すべきである。経団連#7では、業種・業界別のデータ、指標の特定などを求めており、コンソーシアムでの検討に期待したい。 3.測定・管理に係る標準手法の開発と推進 企業、投資家の双方にとって、インパクト投資の「測定・管理」に用いる標準的な手法が確立されることは重要な意味を持つ。国際的には、IRIS+、企業会計を軸にIMMを行うアプローチであるインパクト加重会計(Impact Weighted Accounts)等の手法の開発や実践が進められている。コンソーシアムにおいて、インパクト投資に新たに取り組む企業や投資家が容易に最新の手法や好事例にアクセスできるよう、それらの蓄積や展開を行うとともに、海外にも発信することでGIIN等の国際的な手法の開発にも貢献することが求められる。 なお、インパクト加重会計については、インパクトの金銭換算の信頼性、BtoBなど適用が難しい業種業態の試算方法等の課題が残っており、コンソーシアムにおける丁寧な検討が必要である。 4.官民によるリスク分担 グローバルヘルス#8、気候変動への対応など、従来、公的資金中心に行われてきた、大規模・長期的な社会課題解決のための事業にも、民間資金の活用が不可欠である。その際、官民によるリスク分担が重要であり、公的資金や慈善資金等の触媒的資本(catalytic capital)を組み合わせ、活用する「ブレンデッド・ファイナンス」が期待される。コンソーシアムを中心に官民のリスク分担のモデルをつくり、ブレンデッド・ファイナンスのスキームを検討するとともに、開発金融機関や国際機関等と連携し、好事例を共有することが重要である。 5.企業によるパーパス経営の後押し パーパス経営の実践の過程では、パーパスを起点に自社が解決を目指す社会課題と事業を定め、これらを踏まえたマテリアリティを設定し、企業価値向上に資する価値創造ストーリーを策定することになる。そのため、企業が自社の存在意義を経営の軸に据えるパーパス経営の実践は、投資家によるインパクト投資と表裏の関係にある。コンソーシアムには、この価値創造ストーリーによる社会的・環境的インパクトが評価され、インパクト投資につながるよう、パーパス経営を後押しすることになるロジックモデル#9やTheory of Change#10の好事例、インパクトに係るガバナンスの事例、業界業種別のテンプレートの開発や整備を求めたい。 6.インパクト投資に係るインベストメント・チェーンの強化 インパクト投資のさらなる拡大には、アセットオーナーが重要な役割を果たす。とくに上場株式に対するインパクト投資拡大には、ユニバーサルオーナー、とりわけGPIFによるインパクト投資への参入が不可欠となる。コンソーシアムにおいて、インパクト投資の拡大策として、GPIFをはじめアセットオーナーがインパクト投資に資金を振り分けるための方策を検討することが期待される。 また、インパクト投資の実行には、投資家に対する企業側の価値創造ストーリーの説明と的確な測定・管理が重要である一方、投資家側が建設的な対話を通じて、企業側の取組みを評価することが必要である。しかしながら現在、一部の投資家によるスチュワードシップ活動や対話の質と量の低さを懸念する声もある。その背景には、投資家側の人材、時間といったリソースの不足、対話を行うインセンティブの欠如といった問題があり、インパクト投資の普及には、それらの解決が不可欠である。そうした現状を踏まえ、コンソーシアムにおいて、インパクト投資に係るエンゲージメントの課題を整理するとともに、投資家へのインパクト投資に係るトレーニングやリソースの提供について検討すべきである。 おわりに ここまで、インパクト投資の普及に向け、コンソーシアムでの実施が期待される項目についての意見を述べてきた。インパクト投資は、社会的課題の解決に資する「インパクト・エコノミー」を形成し、資本主義をサステイナブルなものにすることに貢献する。「インパクト・エコノミー」の構築に向けて、政府・地方公共団体、企業、投資家といった幅広いステークホルダーが協調し、具体的な案件を組成できるよう、経団連は貢献していきたい。 以上 例えば、2020年時点のサステナブルファイナンスの投資総額は35.3兆ドルであり、2018年から約15%増加、全体の投資総額の100兆ドルの約3割を占める(Global Sustainable Investment Review 2020、Global Asset Management 2022より)。 上場株式への投資、非上場株式への投資、債券投資、融資等の資金調達等を想定。 社会的・環境的なインパクトを創出しているよう見せかけること。 測定した事業・サービスのインパクトにもとづいた事業改善や意思決定を行うことで、インパクトの向上を志向するための測定と管理の手法。 インパクトや事業戦略等のカテゴリーに基づいたアウトカム指標や、関係するエビデンス等の効果的なIMMを行うためのガイドを提供するオンラインツール。Global Impact Investing Network(GIIN)によって管理されている。 SDGs達成に向けた企業等の貢献を加速するための基準、認証制度、教育トレーニング等を含めたイニシアティブ。 経団連「“インパクト指標”を活用し、パーパス起点の対話を促進する~企業と投資家によるサステイナブルな資本主義の実践~」(2022年6月) グローバルヘルス分野のインパクト投資は、内閣官房「『インパクト投資とグローバルヘルス』に係る研究会」で議論。今後、G7広島サミットで立ち上げが提唱された「グローバルヘルスのためのインパクト投資イニシアティブ」で具体化が図られる予定。 事業の成果創出に必要な要素を、実施する事業から因果関係で帰納的につなげ、体系的に整理したもの。 社会改革への事業貢献に必要な要素を、目指すべき理想から演繹的につなげ、体系的に整理したもの。 「税、会計、経済法制、金融制度」はこちら Policy(提言・報告書) 総合政策 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